2020年3月12日木曜日

0円でできる自動定時放送(2)

放送小僧(フリーソフト)編

前回の「0円でできる定時放送の自動化(MediaPlayer編)」では、タスクスケジューラとWindows Media Playerを利用して定時放送を自動化する方法を説明しましたが、この方法には問題があります。タスクスケジューラで起動されたMedia Playerは演奏を終了してもプログラムは終了せずそのまま残っています。この状態では次の演奏タスクは開始できません。そのためMedia Playerを終了させるタスクをスケジュールに追加する必要がありました。すなわち各放送タスクごとに演奏時間を調べ、演奏が終了する時間を見計らってMedia Playerを終了させるタスクをタスクスケジューラに設定しなければなりませんでした。
この面倒を解決してくれるフリーソフトがあります。株式会社メイプルソフト社が提供する「放送アシスト 放送小僧」です。メイプルソフト社は本格的な定時放送システムである「日課放送システム 放送名人」を販売する会社ですが、簡単な日課放送のために無償の「放送小僧」も提供しています。「放送小僧」はMedia Playerの機能を利用した小さなソフトですが、一つの曲を演奏すると自動でプログラムを終了する特徴があります。「放送小僧」をタスクスケジューラで利用すればMedia Playerを用いたときのような終了タスクは不要となり、スケジュールの設定がとても簡単になります。

放送アシスト 放送小僧

「放送小僧」はテキストスピーチにも対応した片隅で動く小さなメディアプレーヤ―です。Windows Media Playerの演奏機能とWindows日本語音声合成テクノロジSAPI5を用いたテキストスピーチに対応しています。
「放送小僧」はタイムスケジューラを用いて定時放送を行う場合にタスクとして呼び出すプログラムとして作られていますが、その他インターネットラジオを聴いたり、クリップボードのテキストを読み上げるなどもあるようです。
また「放送小僧」はMedia Player 再生できるファイルだけでなく、テキストファイルの内容をそのまま読み上げるテキストスピーチ機能もあります。アナウンサーがいない場合でもテキストファイルに日本語でメッセージを書いておけば読上げてくれます。
詳細はメイプルソフト社のサイトにある「放送アシスト 放送小僧」をご覧ください。


放送小僧の特徴

  • Windows Media Player機能を用いて音楽を演奏します。
  • 日本語音声合成テクノロジSAPI5を利用してテキストファイルを読み上げます。
  • スピーチエディタで作られた音声合成マークアップ言語ファイルを読み上げます。
  • テキスト読み上げではコマンドラインより音声や速度などの指定ができます。
  • プレイリストで複数の音源を連続して放送できます。
  • インターネットラジオが聞けます。
  • クリップボードのテキストを読み上げることができます。
  • 放送中は右下に小さな操作パネルが表示されます。
  • 放送中の一時停止や中止ができます。
  • 放送中にマスターボリュームの変更ができます。
  • 放送が終了するとプログラムを自動終了します。

コマンドラインの書式

放送小僧をコマンドライン、スクリプト、タスクスケジューラで使用する場合は次の書式になります。
onair filename [/v:volume] [/r:rate] [/l:language] [/s:speaker]
filename (必須)
ファイル名をフルパスで指定します。
Windows Media Playerでサポートされている全てのファイル形式に対応しています。
テキストファイル(拡張子.txt)に対応しています。
スピーチエディタで作られた音声合成マークアップ言語ファイル(拡張子.sml)に対応しています。
ファイル名を「clipboard」とするとクリップボードにコピーされているテキストを読み上げます。
/v:volume (省略可)
音量(volume)を0~100の範囲で指定します。指定しない場合は50となります。この音量の指定はファイルごとの音量の違いを調整するためのものです。最終的な音量(マスターボリューム)は放送中に表示される操作パネルで設定します。
/r:rate (省略可)
テキストスピーチの場合の再生速度(rate)を-10(遅)から10(速)の範囲で指定します。指定しない場合は0となります。
/l:language (省略可)
テキストスピーチの場合の言語(language)を指定して下さい。日本語は「ja」、英語は「en」と指定します。指定しない場合はテキスト内容により判断します。
/s:speaker (省略可)
テキストスピーチの場合の話者(speaker)を指定します。指定しない場合は言語に合う話者を選びます。話者はコンピュータに登録されている話者が利用できます。通常は「Haruka(日本語女性)」「Zira(英語女性)」「David(英語男性)」が使用できます。言語と話者が両方指定されている場合は話者を優先します。

タスクスケジューラの設定

タスクスケジューラの設定は「プログラムの開始の設定」以外は「0円でできる定時放送の自動化(MediaPlayer編)」をご覧ください。
「放送小僧」を使用する場合の「プログラムの開始の設定」は次の様に行います。

プログラム/スクリプト 放送小僧のプログラム(onair.exe)を指定します。右にある参照ボタンより放送小僧のインストールフォルダにあるonair.exeを選択します。
(例)c:\放送小僧\onair.exe
引数の追加 放送するファイルの名前を設定します。ファイルのパスも設定して下さい。テキストファイルの場合は必要ならばコマンドラインオプションも設定することができます。
(例1) c:\teijihoso\music\ラジオ体操.mp3
(例2) c:\teijihoso\voice\朝の挨拶.txt /v:80 /r:2 /s:haruka

放送小僧の操作

「放送小僧」が起動され放送が始まると操作パネルがディスクトップの右下に表示されます。

放送を一時停止します。に代わります。
放送の一時停止を再開します。に代わります。
ボリューム(音量)を大きくします。
ボリューム(音量)を小さくします。
× 放送を中止して閉じます。

放送小僧で臨時放送

「放送小僧」はタイムスケジューラを用いて定時放送を行うために作られましたが、定時放送だけでなく臨時放送にも利用することができます。
素早く臨時放送できるようにするには、臨時放送用フォルダーをディスクトップなどに作成し、その中に放送毎のショートカットを作成するのがよいでしょう。

ショートカットの作り方

  1. 放送小僧(OnAir.exe)を右クリックしてメニューより「ショートカットの作成」をクリックします。「OnAir.exe - ショートカット」が作成されます。
  2. ショートカットを右クリックしメニューより「プロパティ」をクリックしてプロパティを表示します。
    「ショートカット」タブの「リンク先」にはOnAir.exeが設定されていますが、この後ろに放送するファイルをパスを付けて追加します。
    (例) C:¥onair¥OnAir.exe C:¥OnAir\Voice\パンが焼きあがりました.mp3
    テキストファイルの場合は必要ならばコマンドラインオプションも設定します。
  3. [OK]を押してプロパティを閉じます。
  4. ショートカットの名前を内容が分かり易いものに変更します。
  5. ショートカットを臨時放送用フォルダーに移動します。
臨時放送の場合は、臨時放送用フォルダを開き目的のショートカットをダブルクリックすれば、素早く放送を行うことができます。

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