2020年3月16日月曜日

テキストスピーチ(音声合成)の利用

定時放送に使用する音声ファイルを作るには、通常はメッセージを読み上げるアナウンスサーが必要です。しかし身近にアナウンスのできる人が居なかったり、外国語のアナウンスが必要で対応できる人が居ない場合などは、専門の業者に頼まなければなりません。
このようなときに代替の方法とした利用できるのがテキストスピーチです。テキストスピーチとはテキストファイルに書かれた内容をコンピュータによる音声合成を用いて読み上げる機能です。
テキストファイルには日本語の場合は通常の漢字かな混じりの文章を入力すればコンピュータが発音を解析して日本語として話します。またテキストが英語で書かれていれば英語として話します。
最近は技術も発達しコンピュータによるテキストスピーチも抑揚や強弱などが自然な話し方に近くなり、人の話と区別が付けられないようなものも販売されています。ただし、これらの高機能なソフトウェアはとても高価です。
しかしながら、そのような高機能を望まないのであれば、Windowsに標準で備わっているテキストスピーチ機能を利用することができます。Windows標準のテキストスピーチ機能は多少発音に不自然さは残りますが、場合によっては利用価値のあるものです。
とくに英語の場合はほとんど自然に聞こえます。また日本語の場合でも、音声合成マークアップ言語(SSML)を使用して発生を自然に近づけることができるようになっています。

放送小僧によるテキストスピーチ

「0円でできる定時放送の自動化(2)放送小僧編」で利用したソフトウェア「放送アシスト 放送小僧」はテキストスピーチにも対応しています。
「放送アシスト 放送小僧」は株式会社メイプルソフト社が提供するフリーソフトです。メイプルソフト社は本格的な定時放送システムである「日課放送システム 放送名人」を販売する会社ですが、タスクスケジューラを利用した簡単な日課放送のために無償の「放送小僧」も提供しています。「放送小僧」は音楽などのメディアファイルも演奏できますが、テキストファイルを読み上げるテキストスピーチにも対応しています。

テキストスピーチの改善

テキストスピーチはテキストをそのまま読み上げることができますが、発音や抑揚、読み上げ速度、読み上げる声などを指示したい場合があります。そのような場合に利用するのが音声合成マークアップ言語 (SSML) です。
音声合成マークアップ言語 (SSML) は、プレーンなテキストの部分部分にピッチ、読み方、読み上げ速度、音量などをマークアップしXMLファイルとして保存したものです。
XMLファイルもテキストファイルなのでメモ帳などでも編集できるのですが、GUIで編集できるツールを利用するほうが簡単です。
編集ツールとしては株式会社メイプルソフト社が提供するフリーソフト「スピーチエディタ」が便利です。
「スピーチエディタ」が生成する音声合成マークアップファイルは「放送小僧」でも再生できます。

2020年3月14日土曜日

音声ファイルの作り方

定時放送で使用する音声ファイルを自前で作成するにはICレコーダーを使う方法や、パソコン用の録音ソフトを使用する方法があります。
Windows10にはマイクよりの音声を録音し編集できる「ボイスレコーダー」という録音ソフトが標準でインストールされています。これを利用して放送用の音声ファイルを作るのが一番手軽にできます。「ボイスレコーダー」はパソコンとマイクがあれば利用できます。マイクはノートパソコンなどの内臓マイクでも利用可能ですが、操作性や音質などを考慮すると外付けでスタンドの付いたマイクがある方がよりよいでしょう。
ボイスレコーダーで作成される音声ファイルはM4a形式となります。M4aはApple社で開発されたオーディオファイル形式ですがWindows Media Player 12以降で利用できるようになりました。もちろん放送アシスト 放送小僧でも利用できます。
ここでは。「ボイスレコーダー」を利用した音声ファイルの作り方を説明します。

ボイスレコーダーの使い方

ボイスレコーダーはWindows10に標準でインストールされています。
画面左下のスタートボタンをクリックし、すべてのアプリからボイスレコーダーを開きます。

初めて使用する場合のボイスレコーダーの画面です。

画面中央にマイクボタンが表示されています。このボタンを押すとマイクからの録音が開始します。
録音中は次のような次の画面に変わります。

画面中央に停止ボタンが表示されています。このボタンを押すとマイクからの録音を停止します。
画面下に録音中の操作ボタンが表示されます。

録音が一時停止されます。
録音位置を示すマーカーが追加されます。マーカーは編集時に利用されます。

マイクからの録音が終わったら停止ボタンを押し録音を終了します。
録音を終了すると次のような画面に変わります。もし、このような画面に成らなかった場合はボイスレコーダの画面を大きくして下さい。

画面左上にレコーディングという名で、今録音したファイルが表示されます。
ファイル名を右クリックするとコンテキストメニューが表示されます。

削除 録音したファイルを削除します。
名前の変更 録音したファイルの名前を変更します。分かり易すく一意な名前に変更して下さい。
ファイルの場所を開く 録音したファイルが保存された場所を開きます。あとで保存されている場所が必要になりますので確認して下さい。

画面には幾つかのボタンが表示されています。
これらのボタンを使って録音したファイルを編集します。

別の録音を開始します。
録音したファイルを再生します。
録音位置を示すマーカーが追加されます。マーカーはいくつでも追加できます。
マーカーを追加するとマークされた時刻が上の方に表示されます。
マークされた時刻をクリックするとその位置にジャンプできます。
録音ファイルの内で切り取りたい範囲を指定する画面に変わります。
範囲を指定して別のファイル名で保存することができます。
録音したファイルを削除します。
録音したファイルの名前を変更します。

録音ファイルの保存場所

ボイスレコーダーでの保存場所は通常は[ドキュメント]-[サウンド レコーディング]となります。

2020年3月13日金曜日

複数音源の連続再生


「0円でできる定時放送の自動化(2)放送小僧編」でタスクスケジューラとフリーソフトの放送小僧を用いて、定時に一つのファイルを放送をすることができるようになりました。
それでは定時の音声放送の前に「お知らせのチャイム」を鳴らしたい場合はどうしたらよいのでしょうか。一つの方法としては、最初にチャイムを鳴らすタスクを実行し、チャイムが終わる時間を見積もって次に音声を再生するタスクを実行することが考えられます。しかしチャイムの演奏時間を計算して次のタスクを設定するのは面倒なことです。ここでは1つのタスクで複数の音源ファイルを連続再生する方法を考えてみます。
例えば毎朝8:00にチャイムを鳴らし、続けて「おはようございます」と再生する場合を考えます。

個別に音源を再生する方法

最初にチャイムを鳴らすタスクを実行し、次にチャイムが終わる時間を見計らって音声を再生するタスクを実行することでチャイムと音声の連続再生は実行できます。
タスクスケジューラに次の2つのタスクを登録します。
  1. 8:00:00 チャイムファイルを指定して放送小僧を起動してチャイムを鳴らすタスク
  2. 8:00:10 音声ファイルを指定して放送小僧をを起動して「おはようございます」と再生するタスク
ここではチャイムの再生時間を余裕を持たせて10秒と見積もっています。
このように時間をおいて順番にタスクを実行すればチャイムの後に「おはようございます」と再生させることは可能です。
ただし、各タスクの開始時間の設定が再生時間やプログラムの起動と終了時間を考慮して決める必要があり簡単ではありません。

プレイリストを使う方法

上記の方法ではチャイムを鳴らしてから次に音声を再生するタイミングが難しく、うまく調整しなければチャイムと音声が別々のものになってしまいます。
そこでチャイムと音声をスムーズに連続して再生する方法はないかを考えてみます。実は放送小僧は Windows Media Player を利用しているのでプレイリストを再生する機能が利用できます。
Media Player のプレイリストとは複数の音源ファイルをリスト化したファイルです。Media Playerで音源ファイルの代わりにプレイリストを開くと、プレイリスト中の音源リストを順番に再生します。放送小僧でもこの機能を利用することができます。
プレイリストにチャイムファイルと音声ファイルを順に記述し、このプレイリストを放送小僧に指定すればチャイムが鳴り、その後に音声を再生できるようになります。

プレイリストの作り方

Windows Media Playerのプレイリストは拡張子が「.m3u」のテキストファイルです。メモ帳で簡単に作ることができます。
プレイリストの記述は音源ファイルのパスを順次記述するだけです。
例えば私のMusicフォルダにあるチャイムファイル(chime.mp3)と音声ファイル(こんにちは.mp3)をプレイリストにするには
メモ帳を開き
C:\Users\eternalsound\Music\chime.mp3
C:\Users\eternalsound\Music\こんにちは.mp3
と記述し名前を付けて保存します。
このとき文字コードは ANSIを選び、拡張子は.m3uとして下さい。
なお、放送小僧にはテキストファイルを再生できる機能がありますが、プレイリストの中には記述できません。テキスト再生はWindows Media Playerとは別の機能を用いているからです。

タスクスケジューラの設定

タスクスケジューラーの設定は、音声を連続再生するプレイリストを引数とし、指定時間に放送小僧を起動するすタスクを設定するだけです。
  1. 8:00:00 チャイムと音声を連続再生するプレイリストを指定して放送小僧を起動するすタスク

2020年3月12日木曜日

0円でできる自動定時放送(2)

放送小僧(フリーソフト)編

前回の「0円でできる定時放送の自動化(MediaPlayer編)」では、タスクスケジューラとWindows Media Playerを利用して定時放送を自動化する方法を説明しましたが、この方法には問題があります。タスクスケジューラで起動されたMedia Playerは演奏を終了してもプログラムは終了せずそのまま残っています。この状態では次の演奏タスクは開始できません。そのためMedia Playerを終了させるタスクをスケジュールに追加する必要がありました。すなわち各放送タスクごとに演奏時間を調べ、演奏が終了する時間を見計らってMedia Playerを終了させるタスクをタスクスケジューラに設定しなければなりませんでした。
この面倒を解決してくれるフリーソフトがあります。株式会社メイプルソフト社が提供する「放送アシスト 放送小僧」です。メイプルソフト社は本格的な定時放送システムである「日課放送システム 放送名人」を販売する会社ですが、簡単な日課放送のために無償の「放送小僧」も提供しています。「放送小僧」はMedia Playerの機能を利用した小さなソフトですが、一つの曲を演奏すると自動でプログラムを終了する特徴があります。「放送小僧」をタスクスケジューラで利用すればMedia Playerを用いたときのような終了タスクは不要となり、スケジュールの設定がとても簡単になります。

放送アシスト 放送小僧

「放送小僧」はテキストスピーチにも対応した片隅で動く小さなメディアプレーヤ―です。Windows Media Playerの演奏機能とWindows日本語音声合成テクノロジSAPI5を用いたテキストスピーチに対応しています。
「放送小僧」はタイムスケジューラを用いて定時放送を行う場合にタスクとして呼び出すプログラムとして作られていますが、その他インターネットラジオを聴いたり、クリップボードのテキストを読み上げるなどもあるようです。
また「放送小僧」はMedia Player 再生できるファイルだけでなく、テキストファイルの内容をそのまま読み上げるテキストスピーチ機能もあります。アナウンサーがいない場合でもテキストファイルに日本語でメッセージを書いておけば読上げてくれます。
詳細はメイプルソフト社のサイトにある「放送アシスト 放送小僧」をご覧ください。


放送小僧の特徴

  • Windows Media Player機能を用いて音楽を演奏します。
  • 日本語音声合成テクノロジSAPI5を利用してテキストファイルを読み上げます。
  • スピーチエディタで作られた音声合成マークアップ言語ファイルを読み上げます。
  • テキスト読み上げではコマンドラインより音声や速度などの指定ができます。
  • プレイリストで複数の音源を連続して放送できます。
  • インターネットラジオが聞けます。
  • クリップボードのテキストを読み上げることができます。
  • 放送中は右下に小さな操作パネルが表示されます。
  • 放送中の一時停止や中止ができます。
  • 放送中にマスターボリュームの変更ができます。
  • 放送が終了するとプログラムを自動終了します。

コマンドラインの書式

放送小僧をコマンドライン、スクリプト、タスクスケジューラで使用する場合は次の書式になります。
onair filename [/v:volume] [/r:rate] [/l:language] [/s:speaker]
filename (必須)
ファイル名をフルパスで指定します。
Windows Media Playerでサポートされている全てのファイル形式に対応しています。
テキストファイル(拡張子.txt)に対応しています。
スピーチエディタで作られた音声合成マークアップ言語ファイル(拡張子.sml)に対応しています。
ファイル名を「clipboard」とするとクリップボードにコピーされているテキストを読み上げます。
/v:volume (省略可)
音量(volume)を0~100の範囲で指定します。指定しない場合は50となります。この音量の指定はファイルごとの音量の違いを調整するためのものです。最終的な音量(マスターボリューム)は放送中に表示される操作パネルで設定します。
/r:rate (省略可)
テキストスピーチの場合の再生速度(rate)を-10(遅)から10(速)の範囲で指定します。指定しない場合は0となります。
/l:language (省略可)
テキストスピーチの場合の言語(language)を指定して下さい。日本語は「ja」、英語は「en」と指定します。指定しない場合はテキスト内容により判断します。
/s:speaker (省略可)
テキストスピーチの場合の話者(speaker)を指定します。指定しない場合は言語に合う話者を選びます。話者はコンピュータに登録されている話者が利用できます。通常は「Haruka(日本語女性)」「Zira(英語女性)」「David(英語男性)」が使用できます。言語と話者が両方指定されている場合は話者を優先します。

タスクスケジューラの設定

タスクスケジューラの設定は「プログラムの開始の設定」以外は「0円でできる定時放送の自動化(MediaPlayer編)」をご覧ください。
「放送小僧」を使用する場合の「プログラムの開始の設定」は次の様に行います。

プログラム/スクリプト 放送小僧のプログラム(onair.exe)を指定します。右にある参照ボタンより放送小僧のインストールフォルダにあるonair.exeを選択します。
(例)c:\放送小僧\onair.exe
引数の追加 放送するファイルの名前を設定します。ファイルのパスも設定して下さい。テキストファイルの場合は必要ならばコマンドラインオプションも設定することができます。
(例1) c:\teijihoso\music\ラジオ体操.mp3
(例2) c:\teijihoso\voice\朝の挨拶.txt /v:80 /r:2 /s:haruka

放送小僧の操作

「放送小僧」が起動され放送が始まると操作パネルがディスクトップの右下に表示されます。

放送を一時停止します。に代わります。
放送の一時停止を再開します。に代わります。
ボリューム(音量)を大きくします。
ボリューム(音量)を小さくします。
× 放送を中止して閉じます。

放送小僧で臨時放送

「放送小僧」はタイムスケジューラを用いて定時放送を行うために作られましたが、定時放送だけでなく臨時放送にも利用することができます。
素早く臨時放送できるようにするには、臨時放送用フォルダーをディスクトップなどに作成し、その中に放送毎のショートカットを作成するのがよいでしょう。

ショートカットの作り方

  1. 放送小僧(OnAir.exe)を右クリックしてメニューより「ショートカットの作成」をクリックします。「OnAir.exe - ショートカット」が作成されます。
  2. ショートカットを右クリックしメニューより「プロパティ」をクリックしてプロパティを表示します。
    「ショートカット」タブの「リンク先」にはOnAir.exeが設定されていますが、この後ろに放送するファイルをパスを付けて追加します。
    (例) C:¥onair¥OnAir.exe C:¥OnAir\Voice\パンが焼きあがりました.mp3
    テキストファイルの場合は必要ならばコマンドラインオプションも設定します。
  3. [OK]を押してプロパティを閉じます。
  4. ショートカットの名前を内容が分かり易いものに変更します。
  5. ショートカットを臨時放送用フォルダーに移動します。
臨時放送の場合は、臨時放送用フォルダを開き目的のショートカットをダブルクリックすれば、素早く放送を行うことができます。

2020年3月10日火曜日

0円でできる自動定時放送(1)

Windows Media Player編

簡単な定時放送でしたらプログラムチャイムなどの機器や専用のソフトを利用しなくてもWindowsの基本機能だけで実現することができます。ここで使用するのがタスクスケジューラです。タスクスケジューラとは、簡単に言うと予定した時刻に決められたプログラム実行する機能です。
このタスクスケジューラに決められた時間になったら音楽プレーヤソフトを起動して決められた音を演奏するように設定すれば、定時放送が実現できます。
ここではタスクスケジューラを利用して定時放送を行う方法を詳しく説明します。


タスクスケジューラとは

タスクとはコンピューターのプログラムやスクリプトが行う一つの仕事のことです。例えば音楽プレーヤソフトに1つの曲を演奏させるのも一つのタスクです。
タスクスケジューラとは、予定した時刻に決められたタスクを自動実行するためのWindowsに備えられた機能です。
タスクスケジューラには複数のタスクの設定ができます。またタスクの実行日時は日付、曜日、イベントなどを用いて詳細に設定でき、タスクの繰返しも日ごとや時間ごとに指定できます。また、タスクスケジューラには設定ウィザードがあり簡単にスケジュールが組めるようになっています。

定時放送の準備

タスクスケジューラを利用して、定時放送を自動化するには音を鳴らすためのプログラムと音のデータである音源ファイルが必要です。

音を鳴らすためのプログラム

音を鳴らすためのプログラムにはブザーを鳴らすプログラムとかMIDIを演奏するプログラムなどもありますが、音楽を再生することができる音楽プレーヤがいろいろな音源に対応していて使いやすいでしょう。ここではWindowsに標準で付属しているMedia Playerを再生ソフトとして利用します。

音源ファイル

音源ファイルとはチャイムや音楽や声などの音のデータ、再生ソフトで開くことでチャイムや音楽や声を再生することができるものです。
音源ファイルにはWAVE、MP3、MIDIなど色々あり、形式により拡張子が異なります。音源ファイルはMedia Playerが再生できるものたらどのような形式でもいいのですが、ここでは一般的なMP3形式のもので説明します。MP3形式のファイルは拡張子がMP3となります。
MP3形式の音源ファイルは音楽ならばCDより変換して作ることができます。音声ならばボイスレコーダーで録音して作ることができます。またチャイムなどはネット上からフリーの音源を探すこともできます。

音源ファイルとMedia Playerの関連付け

Windowsにはアプリケーションと拡張子の関連付け機能があります。例えばワープロソフトのWord(ワード)でワード文書を開く場合には、Wordアプリケーションを立ち上げてからファイルよりワード文書を選択して開きますが、Wordアプリケーションを立ち上げずにワード文書をダブルクリックするか右クリックメニューで「開く」を選択すれば、Wordアプリケーションを自動的に立ち上げることができます。これはファイルの拡張子により起動するアプリケーションが設定されているからです。これを「アプリケーションと拡張子の関連付け」といいます。
音源ファイルとMedia Playerを関連付けしておくと後の作業が楽になりますので、ここで「アプリケーションと拡張子の関連付け」をしておきます。
用意したMP3形式の音源ファイルを右クリックメニューより「プログラムから開く」から「別のプログラムを選択」をクリックします。
ファイルを開く方法を選択するダイアログが表示されます。
Windows Media Player を選択し、「常にこのアプリを使って.MP3ファイルを開く」にチェックを付けてから「OK」ボタンを押します。Windows Media Playerが起動し音源ファイルを演奏します。

次にWindows Media Playerを閉じた後に、音源ファイルをダブルクリックします。
Windows Media Playerが起動し音源ファイルが演奏されれば、全てのMP3ファイルとWindows Media Playerが関連付けられたことになり、MP3ファイルを開けばプログラムを指定しなくてもWindows Media Playerが起動するようになります。

タスクスケジューラの設定 

簡単な例として、タスクスケジューラを利用して毎日朝8時にコンピュータでチャイムを鳴らすようにしてみましょう。
チャイムの音源ファイルはネットで「無料チャイム音」を検索すればMP3形式のファイルが見つかるので適当なものをダウンロードします。
ダウンロードしたファイルがzipファイルなら圧縮ファイルですので右クリックメニューで展開してMP3ファイルを取り出して下さい。

タスクスケジューラの起動

タスクスケジューラを起動するには、デスクトップの画面左下の「スタートボタン」をクリックしてスタートメニューを表示します。
プログラム一覧をスクロールして「Windows 管理ツール」内の「タスクスケジューラ」をクリックします。
タスクスケジューラが起動します。

フォルダの追加

タスクスケジューラには定期的にバックアップするタスクや起動時に実行するタスクなど色々なタスクを登録できます。また既に登録されているタスクも多くあります。
多くのタスクを管理するにはフォルダを作成して関連したタスクをフォルダ分けして入れて置くことをお勧めします。
タスクスケジューラに定時放送用のフォルダを作成し、そこに定時放送用のタスクを入れることにします。
新しいフォルダを作成するには、画面の左のツリーで「タスクスケジューラライブラリ」を選択し、右側の操作ペインで「新しいフォルダ...」をクリックします。
「新しいフォルダー名の入力」が表示されます。
フォルダ名に「定時放送」と入力して「OK」ボタンを押します。
画面の左のツリーで「タスクスケジューラライブラリ」を展開すると、新しいフォルダ「定時放送」ができているのが確認できます。

タスクの追加

「定時放送」フォルダに、毎日朝8時にチャイムを鳴らすというタスクを追加します。
新しいタスクを作成するには、画面の左のツリーで「タスクスケジューラライブラリ」内の「定時放送」を選択し、右側の操作ペインで「基本タスクの作成」をクリックします。
基本タスク作成ウィザードが起動します。

タスク名の設定

最初にタスクに名前を付けます。
「名前(A)」にタスクに付ける名前を設定します。ここでは「朝のチャイム」としました。
タスク名はタスクスケジューラ内で同じ名前があってはいけません。また設定した名前はタスク作成を完了すると簡単には変更でませんので注意して設定して下さい。
設定したら「次へ」ボタンを押します。

タスクトリガーの設定

次にどのような時にタスクを起動するかを設定します。
タスクトリガーとはタスクをを開始するためのきっかけとなる出来事のことです。
トリガーの種類として「毎日」、「毎週」、「毎月」、「一回だけ」、「コンピュータの起動時」、「ログオン時」、「特定イベントのログへの記録時」より選択できます。ここでは「毎日」を選びます。
設定したら「次へ」ボタンを押します。

タスクトリガー詳細の設定

次にタスク実行日時などのタスクトリガーの詳細を設定します。
タスクトリガーの詳細設定画面はトリガーの種類によって異なります。タスクトリガーとして「毎日」選んだ場合は上のような画面になります。
「開始(S)」には初回のタスク実行日と時間を設定します。ここでは「2020/01/01 08:00」と設定します。
「タイムゾーン間で同期(Z)」にチェックを付けると設定した日時はUTC時刻(世界標準時刻)と解釈されるので注意して下さい。
「間隔(C)」は何日置きに繰り返すかを指定するもので、ここでは毎日実行しますので「1」とします。
設定したら「次へ」ボタンを押します。

操作の設定

次にトリガーで何を操作するかを設定します。ここでは必ず「プログラムの開始」を選択して下さい。
設定したら「次へ」ボタンを押します。

プログラムの開始の設定

次にトリガーで開始するプログラムを設定します。
基本は「プログラム/スクリプト(P)」で起動するプログラムを設定し、「引数の追加(オプション)(A)」で音源ファイルを指定するのですが、先ほど「音源ファイルとMedia Playerの関連付け」を行っていますので、「プログラム/スクリプト(P)」に音源ファイルを指定するだけでMedia Playerが立ち上がるようになります。「参照(R)」ボタンで音源ファイルを参照して設定して下さい。
設定したら「次へ」ボタンを押します。

要約の確認

タスク作成の概要が表示されます。
確認したら、[完了]ボタンを押します。
変更がある場合は「戻る」ボタンを押して戻るか、「完了を押したときこのタスクのプロパティダイアログを開く」にチェックしてプロパティを表示して修正します。
[完了]ボタンを押すと画面中央上部のタスク一覧に「朝のチャイム」が表示されます。表示されない場合は右クリックメニューより「最新の情報に更新」をクリックして下さい。

プログラムを閉じるタスク

タスクで起動されたプログラムは処理を終えると自動で閉じるようになっているものもありますが、Media Playerのように曲の演奏を終えてもそのまま残り続けるプログラムもあります。
8時にチャイムを鳴らし、12時にもチャイムを鳴らしたい場合、12時になったときにMedia Playerが起動中のままの場合、12時のチャイムを鳴らすタスクは失敗します。
そのためにMedia Playerでの演奏が終わったらMedia Playerを閉じる処理を行う必要があります。
Media Playerを閉じる処理も一つのタスクです。8時1分にMedia Playerを閉じるタスクをタスクスケジューラに登録します。
名前 朝のチャイム終了
開始  2020/01/01 08:01
間隔  1日
プログラム/スクリプト cmd.exe 
引数の追加(オプション) /C taskkill /IM wmplayer.exe
プログラムの開始の設定の「プログラム/スクリプト」と「引数の追加」への記述が特殊ですが、他の項目は上記のチャイムを鳴らす場合に準じて設定して下さい。
これで8:00に起動したMedia Playerが8:01分に終了するようになります。
終了時刻の設定は演奏時間に合わせて調整して下さい。

タスクの変更

新たに作成したタスクを確認するには、まずタスクスケジューラの画面の左ペインで、「タスクスケジューラライブラリ」内の「定時放送」を選びます。次に画面中央上部に表示されているタスク一覧より変更したいタスクを選んで、右クリックメニューより「プロパティ」をクリックします。プロパティダイアログが表示されます。

ここより、トリガー、操作、条件などが変更可能です。

2020年3月9日月曜日

自動定時放送とは

定時放送とは日課放送とも呼ばれ、館内、店内、工場、現場などの狭い範囲内で、決められた時間に決められた放送を行うことです。
会社の時報や朝のラジオ体操、学校の登下校のチャイム、商店での営業や特売の案内、博物館での展示物の説明、工場や現場での注意喚起や作業合図、等々、定時放送を行う場面はいろいろとありますね。
ここでは、これらの放送をその都度、マイクに向かって話したり、チャイムを鳴らすのではなく、放送内容と放送時刻を予めプログラムし、定められた時刻に自動的に放送する方法について考えたいと思います。


自動定時放送の方法

定時放送を自動化する方法には、専用のハードウェアによる方法とパソコンを利用する方法があります。

専用のハードウェア

専用のハードウェアを用いる方法でプログラムチャイムなどと呼ばれています。
プログラムチャイムに演奏スケジュールと演奏曲やチャイムをプログラムして使用します。音源は、プログラムチャイムに挿入するCFカードやSDカードなどに保存されます。
音質はいいのですがハードウェアが必要なので費用的に高くなります。

株式会社タカコム

自動放送機能付プログラムチャイム

PBS-D600 https://www.takacom.co.jp/product/1229
PBS-D500Ⅱ https://www.takacom.co.jp/product/1230
  • 放送スケジュール(放送パターン、年間スケジュール等)はパソコンを使って、データ入力ソフト(添付品)で簡単に作成できます。
  • 年間を通して、1日単位で放送パターンが予約できます。
  • 1日当りの放送(チャイム・音楽・アナウンス)は最大64ステップまで設定でき最大99通りの放送パターンが作成できます。
  • ハッピーマンデーに対応していますので、祝日の日付けは自動更新できます。
  • 録音媒体はフラッシュメモリーカード。デジタル方式で高音質がいつまでも保てます。停電時も、録音内容が消えることはありません。
  • 最大99通りのアナウンスや音楽が内蔵フラッシュメモリーに自由に録音できます。
  • サンプル音源(企業用、建設会社作業用、自動車学校用、小・中学校用)の利用で、音源作成が容易にできます。
  • 高音質「音声合成機能」を標準搭載、パソコン操作で音源を作成できるので、アナウンサーの手配など音源作成業務の負荷を軽減できます。

三共電子株式会社

日課放送・業務放送ユニット

tMAX-Fシリーズ http://www.voicenavi.co.jp/unit/tmax-f/
  • 余分な機能を削除し、小事務所や店舗、中小工場、建設現場でも手軽に利用・購入できる低価格でコンパクトサイズの業務(日課)放送ユニットです。
  • 1日99ステップ、99シートで月曜~日曜日の週間放送、1月~12月月間放送、月日指定又は年月日指定の年間スケジュールに対応しています。
  • ユニットの背面には緊急放送用の入力端子があり、その接点を利用することにより緊急時の放送ができます。

パソコンを利用

パソコンを利用し、専用の定時放送ソフトを利用して定時放送を行う方法です。
費用も安く、余ったパソコンを利用したり、仕事で使っているパソコンを定時放送にも併用したりできます。また、プログラムチャイムよりも柔軟なスケジュールを組めるものもあります。

株式会社ソフトブレイン

かんたん!計画放送 https://keikaku-hoso.com/
  •  シンプルな作りで簡単に定時放送を行うことのできるソフトウェアです。 
  • 36個の放送を開始時間でスケジュールできるグループが3つあります。
  • 各3つのクループは曜日指定で放送をスケジュールできます。
  • 再生して欲しくない日時を30個まで登録することが出来ます。 
  • 各グループ毎に連続再生することができます。 
  • チャイム音を2種類使用できます。

株式会社メイプルソフト

日課放送システム 放送名人 http://www.maplesoft.co.jp/airtime.html
  • 使いやすさを追求した本格的な定時放送システムです。
  • 放送数、音源数には制限はありません。
  • 毎週木曜、第3日曜、8の付く日、祝日、期間、時間帯などの条件を設定して複数の放送予定を作成することができます。
  • 放送日の放送は複数の放送予定を自動で組合わせて放送します。例えば、8日(木)には毎週木曜と8の付く日の予定が放送されます。
  • 動作中の放送予定変更、臨時放送、緊急放送も画面のボタンを押すだけでできます。
  • パソコンにつないだマイクでマイク放送に切り替える機能があります。
  • スピーカーのアンプ等の外部機器を放送時のみにオンにする機能があります。
  • テキストファイルの内容で日本語または英語を自動判断して音声合成によりテキストを読み上げる機能があります。